• 2026年1月21日

北欧では「国」がサプリを推奨する? 日光を浴びない日本人が直面する「静かな危機」ー私がビタミンDを飲み続ける理由ー

1. 北欧諸国が「ビタミンD」を配る理由

フィンランドやスウェーデンといった北欧諸国では、冬場の日照時間が極端に短くなります。日光を浴びることで体内で合成される「ビタミンD」が、物理的に不足してしまうのです。

ビタミンDは単なるビタミンの枠を超え、免疫システムを司る「ホルモン」のような働きをしています。これが欠乏すると、骨が弱くなるだけでなく、感染症のリスクが増大し、メンタルヘルスにも深刻な影響を及ぼすことが科学的に指摘されています。

そのため、これらの国々では乳幼児や高齢者に対して、あるいは食品そのものにビタミンDを添加するなど、「国家レベルの公衆衛生戦略」として栄養補給を行っています。「食事だけで頑張る」ことが不可能であることを、国が認めているのです。

2. 「オフィス」という名の、日本版北欧

「それは北欧の話で、日本は関係ない」 そう思われるかもしれません。しかし、現代の日本人の生活様式はどうでしょうか。

朝から晩までオフィスビルの中で働き、移動は地下鉄、休日はショッピングモール。さらに美容のためにUVケアを徹底する。生化学的な観点から見れば、現代の日本人は、一年中「北欧の冬」を生きているのと変わりません。

実際、日本人を対象とした調査でも、9割以上の人にビタミンD不足の可能性があるというデータもあります。

3. 「海辺の人に、花粉症はいないのか?」という仮説

私がこれまで多くの患者さんを診てきた中で、非常に興味深い傾向があります。 それは、「趣味がサーフィンで、年中海で日焼けしている人」や、「強い日光が降り注ぐ沖縄に住んでいる人」の中に、重度の花粉症で悩んでいるというケースに、私は経験上ほとんど出会ったことがない、という事実です。

もちろん、これだけで全てを断定はできません。しかし、ビタミンDと免疫の関係を考えれば、これは決して偶然ではないでしょう。

4. 「サプリをやめるとビタミンDが下がる」という現実

私自身の話になりますが、 私は医師として常に自分の採血データをモニタリングしています。日光を浴びにくい屋内での診療が続く中、ビタミンDの摂取を一時的にストップしたことがありました。

結果は顕著でした。 データ上の数値は見事に急降下し、それと歩調を合わせるように、長年抑え込めていた「花粉症」の症状が再発したのです。

「一度飲んで治ったから、もういい」というわけにはいきません。私たちの体は毎日代謝され、作り変えられているからです。環境(日光不足)を変えられない以上、不足分を補い続けることは、もはや歯磨きと同じレベルの「現代の衛生習慣」と言えるでしょう。

5. 医療の役割は「薬を出すこと」だけではない

今の日本の医療(保険診療)の多くは、病気になってから「薬」で症状を抑えるのが主流です。 しかし、本来の医療が目指すべきは、北欧の取り組みのように、「そもそも病気にならない土台(栄養状態)を整えること」ではないでしょうか。

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